2020年10月1日に株式売買システムarrowheadで障害が発生し、丸一日東京証券取引所での取引が停止したという事件がありました。2010年1月に新システムを稼働して以来、初めて丸一日取引が停止したというころで、大々的に取り上げられましたね。
個人的には10年も動いていればたまには止まるときもあるよね、とは思いますが、すごいお金をかけたシステムなのに止まるなんて日本はIT後進国だ!という論調の方たちも大勢いました。このシステム停止の原因については公式発表されています
https://www.jpx.co.jp/corporate/news/news-releases/0060/20201019-01.html
ものすごく簡潔にいうと、設定をミスったためにNAS(ストレージデバイス)が故障したときにバックアップに切り替わらなかった、ということです。NASをバージョンアップしたときに仕様変更になっていることに気が付かなかったようです。
この日に売買できていれば儲かったはずの方はお気の毒ですが、こういったシステムのトラブルとしては、止まってしまったというのはまだましな部類ですね。
システムのトラブルで一番困るのは整合性がとれなくなることです。
株式売買システムでいえば、買う側では買いたかった株が買えたことになっているのに、売った側ではまだ売れていないという認識になってしまうことですね。両方が同じ株を持っていることになってしまいます。売買できていれば儲かったはずのお金を補填しろというのは突っぱねられますが、整合性がとれなくなって損害が出てしまうと賠償の対象になってしまう可能性もあります。
そういう意味では、整合性のトラブルが発生していないのはシステムとしては、最低限のラインは守られているということではないでしょうか。