近年では、情報ネットワークは業務の効率化ツールという役割のみならず、経営陣が意思決定を行う際にも必要不可欠な存在となっています。別の言い方をすれば、経営環境の変化が激しい時代となったため、情報ネットワークがなければ経営の意思決定を行うことができなくなっているということです。
ここでいう“経営の意思決定“とは、自社が保有している経営資源(ヒト・モノ・カネ)をどこに投下するかの決定をしていくことを指しています。これまでの事業を続けていくのかその事業を辞めるのか、はたまた、これまでの事業を改革して継続していくのかといった判断をしていくようなことが経営の意思決定に当たります。
一方で、企業に所属している従業員も日々意思決定を行っています。例えば、外回りの営業マンが一日の予定を立てるときに、どのお客様から訪問しようか、という順番を決めるのも意思決定です。A社へ行く道は夕方には渋滞するから午前中に行って、B社はA社の近くだからA社の次に回って、C社には大きな注文をもらえそうだから午後一番に優先的に回って、D社は注文くれなさそうだから最後に行くことにしておいて、予定より遅くなったら明日にしてもらおう・・・とかいう判断も意思決定です。
これも情報ネットワークを全く使わなければなかなか正確な判断ができないと考えられます。
更に、中間管理職(ミドルマネジメント)層にもこの層に特有の意思決定が求められています。例えば、小売店の店長であれば翌月の店舗スタッフのシフトを決めなければなりません。どの日にどれくらいの来客が見込まれているのかを予測して、来客が多いと予測される日には多くのスタッフを出勤させ、来客が少ないことが予想される日に休みを取らせるといった判断を行います。こうした判断は中間管理職特有の意思決定となりますが、これらの意思決定にも情報ネットワークの活用は不可欠です。
経営情報ネットワーク活用が意思決定に大きく寄与している企業がある一方で、期待どおりの成果が上がっていないという企業も少なくありません。ネットワークインフラに投資さえすれば、自動的に成果を期待できるわけではないので注意が必要です。情報を活用するのには、情報を活用するノウハウが必要であることを意識しておかなければなりません。