前回説明した合同会社と比べられることの多い有限責任異業組合について。
有限責任事業組合契約に関する法律が制定されて2005年8月1日から施行されることで、利用可能となった新しい事業形態です。イギリスのLLPという組織形態に似ているのでLLPと呼ばれています。
箇条書きで特徴を書いてみます。
- 設立するには登記が必要だが、法人格はもちません。
- 最低二人の出資者が必要です。
- 合同会社と同じく出資者は有限責任です。事業が失敗しても出資者は出資額以上の返済義務はありません。
- 課税についてパススルー課税が認められ、LLPへの課税はありません。出資者に利益を配当するときに課税されます。
- 全出資者が何らかの業務執行に参加する必要があり、出資だけということはできません。
- 重要な意思決定について全員一致で行います。
- 合同会社と同様に定款自治の範囲が広く、利益の配分も出資額の比率に関係なく自由に設定することができます。
技術力が高く、重要な役割を果たす人が、たとえ出資額が少なくても、利益が出たら多くの配当を受け取れるように決めておく、という使い方が可能です。
ただし法人格がないため、合併や会社への組織変更は行えません。株式会社になれないので、上場を狙うような事業では使えません。