情報処理技術者試験とは?

前回、情報セキュリティスペシャリスト試験のことを書いたので、情報処理技術者試験のことを補足しておきたいと思います。

 

情報システム関係の仕事をしたことがある人なら、ほとんどの方は、情報処理技術者試験という試験が春と秋に行われているのはご存じだと思います。

https://www.jitec.ipa.go.jp/

 

合格しても役に立たないだの実務に結びつかないだとの色々言われており、まったく興味ない人もいますし、趣味のように受験して全分野合格を目指している人もいます。

この試験、国家試験ですので、根拠になる法律があります。大抵の国家試験は税理士法のようにXX士法という根拠法令があります。そういうストレートな名前ではなくても、中小企業診断士は中小企業支援法、気象予報士には気象業務法という根拠法があります。情報処理技術者試験の根拠法令は「情報処理の促進に関する法律」です。

経済産業省の所管法人である独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が執り行っています。

 

また脱線しますが、国家試験はそうとう美味しいのか、各省庁が試験を作って張り合っています。

総務省は行政書士、法務省は司法書士、財務省は税理士試験なんかを持っていますが、経済産業省は、特に熱心で、中小企業診断士や情報処理試験以外にも、弁理士(特許庁は経済産業省配下ですからね)や測量士、電気工事関係などから、競輪やオートレースの選手や審判員の試験まで、幅広く行っています。

 

さて、情報処理技術者試験を受けて合格すると何かいいことがあるのでしょうか。

その辺の疑問に私見を述べてみます。

疑問1 勉強したら良いことはあるのか。

→自分の仕事に関する知識を体系的に基礎から学べ直せるというメリットはあると思われる。また、今の業務と関係ない分野の勉強をすること(ネットワークエンジニアがデータベーススペシャリストの勉強するとか)で、ふとした時に役立つときはあります。会議の際に会話について行けたりそういうことです。

 

疑問2 試験問題が実務とかい離していて、試験に合格しても実務に役立たないのでは。

→まあ確かに論文試験や論述試験は国語の要素が強いですから、仕事内容と結びつかない人はいるかも知れません。ただし、業務の内容が上流工程になったときには、ピンとくるときがあります。会話についていくこともできます。

 

疑問3 合格したら良いことはあるのか。

→会社によっては、金銭的な報酬(一時金もしくは毎月手当がつく)がある場合があります。就職や転職に役に立つかは何とも言えませんがないよりましです。なぜなら、非常に気にする会社もたまにあるからです。そんな会社が10社中1社でもあるなら、とってないよりはとっていたほうがいいでしょう。ただし、これは、ITストラテジスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者くらいです。まれに公共事業の入札の際に、これらの資格保持者がプロジェクトに参加することが応札条件となっていることがあるからです。

 

これらのことから、フリーランスでやっていくつもりの人も、とれるうちにとっておいた方が、少しでも将来の安定に寄与すると思われます。

他にメリットとして、上位の資格合格者は、合格者の団体に加入できるという点があります。これについては、また別の機会に詳しく書いてみたいです。

ということで、結論は、やるなら上位資格を狙って合格するまでやりましょう。やらないならやらないでおきましょう。中途半端は一番無駄です、ということになりました。

 

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