RAIDの種類

私が情報システム関係の仕事を始めて、最初に先輩に教わった言葉がRAIDでした。RAIDとは「Redundant Arrays of Inexpensive Disks」の略で、複数台のハードディスクをRAIDコントローラという装置を使って論理的にまとめて1台のハードディスクとして使えるようにする技術です。今の言葉でいうと”仮想化”技術ということですね。

 

RAIDには様々な種類があって、それぞれに特徴があるのですが、当時はRAID0、RAID1、RAID5くらいしか使わないと教わりました。実際にRAID2、RAID3、RAID4というのはいまだに実施に使われいるところを見たことはないです。RAID6は容量的に効率が悪いのですが、最近のハードディスクは大容量なので、多少効率が悪くても安全性を優先する場面では使われているようです。

今では、RAID構成でさらにRAIDを組むことでデメリットをカバーしたりメリットを強化したりするのは普通になってきています。機会があってRAIDの組合せてメリット、デメリットを勉強しなおしたので、忘れないうちに書いておこうと思います。

 

【RAID0】

 ストライピングと呼ばれる。複数のハードディスクにデータを分散して記録する。ハードディスクは最低2台必要。ハードディスクの耐障害性が高くなるわけではないので、他のRAIDと根本的にコンセプトが異なるので0番があてがわれていると思われる。

<メリット>

・複数のハードディスクに処理を分散するので読み書きが速い。

<デメリット>

・ハードディスクが一台でも壊れたらデータが読めなくなる。

 

【RAID1】

 ミラーリングと呼ばれる。複数のハードディスクに同時に同じ内容を記録する。ハードディスクは最低2台必要。最も基本的なRAIDなので1番があてがわれていると思われる。

<メリット>

・耐障害性が高い。複数台数中の1台でも生き残ればデータを読める。

<デメリット>

・ハードディスクの台数を増やしても、使える容量が増やせない。

 

【RAID5】

複数のハードディスクにデータとデータから生成されるパリティ(誤り訂正符号)を分散して記録する。ハードディスクは最低3台必要。ハードディスクは1台壊れてもデータを復旧できる。例えばハードディスク3台RAID5構成に対してデータAというものを書き込むとします。データAを半分(仮にA1と呼びます)にしてハードディスク1に書き込む、同様に残りの半分(A2)をハードディスク2に書き込む。同時にA1とA2から計算で導かれるA3というデータをハートディスクに書き込む。ハードディスク1が故障して新品に交換したら、A2とA3から逆算してA1を求め、新品のハードディスク1に復元する。データを書く役目のハードディスクとパリティを書く役目のハードディスクは毎回ランダムで入れ替わる。

<メリット>

・ディスクが一台は故障してもデータを復元できる。(RAID0<RAID5<RAID0)

・複数のハードディスクに処理を分散するので読み込みは速い。(RAID1<RAID5<RAID0)

・ハードディスクの台数を増やせば大容量化できる。

<デメリット>

・ハードディスクが2台故障するとデータを復旧できない。

・ハードディスクが1台故障すると読み込みのたびにパリティからデータを計算するため処理が遅くなる。

 

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