何気なく使っている「データ(data)」という単語と「情報(information)」という単語、意味の違いをご存知でしょうか。
意味が違うことを前提に書き出してしまいましたが、まったく同じ意味で使われているケースも多く、それで問題が起きていなければ同じ意味だと認識してもいい気がします。私自身も日常会話の中で明確に区別して使っているかといえばそうでもない気がします。
そこで終わってしまってはつまらないので、この二つの言葉を区別して使う場合には、どう区別するのかを紹介します。
データは「物事を推測するもとになる資料、事実、素材、材料。」
情報は「データの中の役に立つ材料を抜き出したもの。」
思ったとおりでしたか?
大量にあるのがデータで、その中から意味のあるものを見つけたら情報となる、ということになります。集めてきたガラクタの山から宝石を探すようなもんですね。
情報という言葉の大元は軍事用語なので、戦に関する例で説明を。
中国の戦国時代、魏という国と斉という国が戦争をしていました。戦況としては、魏の軍隊が、逃げる斉の国の軍を数日遅れで追跡しているという状況です。
魏の国の司令官は、斉の軍勢が逃げた後の陣地を毎日調べていましたが、日々、食事を作るかまどの跡が減っているという事実に気が付きました。
頭脳明晰な魏の司令官は「これは、逃亡兵が多く出ているということを表している。今斉軍に追いつけば難なく勝てる!!」と判断し、大勢の歩兵を残し、機動力の高い騎兵だけで後を斉軍の後を急追したのでした。
相手の陣地を毎日調べることで得たデータが日々のかまどの跡の数ですね。
これを記録、分析して、数が減っていることに気が付き、「斉軍には逃亡兵が多く出ている」という情報を導きました。
これがデータと情報です。誰しもがデータから情報を導けるわけではありませんね。
この戦がどうなったのかご存じない方は「馬陵の戦い」で検索して確かめてください。
実は、情報は操作できるという教訓になっていますね。